2022年05月


 あ痛た!!

 何じゃ、この小さい木じゃが痛い!!

 

蟻通し 花(5)



 大きい木も有る。

 大きい木には、今は花が咲いておる!!



蟻通し 花 (3)
 

 面白い花じゃ。

 小さいユリの様にラッパのようになっておる!!

 

 和尚、

この棘の有る、ユリの様な花の有る木は何じゃ??

 

 「 おう、狸殿・・」

 「 今まで知らなんだか??」

 

 儂の通る道には生えてなんだが、横道に有った!!

 小さな棘が有るぞ!!

 

 「 そうじゃ、小さな棘が木のところどころに有り、

   蟻しか通れんと言うので『 蟻通し 』 と言うとる・・」

 

 確かに、蟻の隙間しかない様に見える!!

 じゃが、

蟻以外にこの木に登ろうと言うものは居るか??

 

 「 確かに、居らんなあ・・」

 「 狸殿、蟻に変身して登ってみいな・・」

 

 いやあ、御免被る!!

 蟻に変身しても、ご利益は無いわな!!

 

 

 

 

 「 狸殿、この前はご苦労さんじゃった・・」

 「 高木に登って、よう枝が切れたのう・・」

 

 「 人間の儂でも、登るのに“よいしょ”じゃが・・」

 「 和尚の儂に化けたと言っても、

よう登れたのう・・」

 

 そうじゃろう、大したものじゃろう!! 

 何時もの化け方は、椿の葉っぱ3枚じゃ!!

 

狸独り言 人間の手椿3枚 (1)




 これじゃと、特に何も考えんでもいいのじゃが。

 じゃが今回は、高い木に登らないかんので、

大いに考えたわな!!

 

「 そうじゃろうなあ・・」

「 儂でも、高い木に登る時は、

緊張して気合を入れるわなあ・・」

 

 そこで狸の儂が木に登るので、

途中で狸に戻ると命に係わる!!

 一番の問題は、足と手の指の問題じゃ!!

 

狸独り言 人間の手八つ手 (3)



 そこで椿の代わりに “ 八つ手 ”を使ったのじゃ!!

 八つ手じゃと、手足の指が5本と言わず多いので、

枝を握るのにもってこいじゃと、八つ手にした!!

 

 「 さよか、それで器用に登ったのじゃなあ・・」

 「 “豚でも煽てりゃ木に登る”と言うが、

狸殿は、頭を使って木に登ったのじゃなあ・・」

 

狸木に登る (6)



 和尚、豚より格上げになったか!!

 

 「 いやいや、元々狸殿の格は極上じゃ・・」

 「 和尚の儂と変わらんぞ・・」

 「 大したものじゃ・・」

 「 八つ手を使うことを考え出すことが、

大したものじゃ・・」

 

 それでなあ、和尚に化けて思ったが、

人間として、手と足が有れば最高じゃ!!

 

最近の人間は文句が多い、

五体満足であれば、最高じゃと思うのじゃが!!

 

 「 そうじゃ、大学や会社や、お金や地位や、

色々なものを欲しがる・・」

 「 健康であれば、満足すればよいはすじゃ・・」

 

 「 言葉に“知足”と言うのが有る・・」

 

 「 “ 足(た)るを知る ” と言うが、

「 自分が少しの事で満ち足りておると感じると,

不満は解消する・・」

 

 「 狸殿は、和尚の儂に化けることで、

         五体満足を理解したのじゃなあ・・」

 「 “ 知足 ” を知ったことは、

                 『悟った』と一緒じゃ・・」

 

 ほう!! ありがとさん!!

 又、木に登ろうかのう!!

 

 


 

 「 おや? 離れの横の木の上から音が聞こえる??」

 ゴシゴシ・・ バシバシ・・ キコキコ・・

 

狸木に登る (5)


 「 何で木の上から、鋸の音がする??」

 「 何が起こったのじゃ??」

 

 「 木の上で、誰かが枝を切っておる??」

 「 オ~イ!! 住職かい??」


狸木に登る (6)

 

 よう、和尚お早うさん!!

 

 「 おや? 住職の声では無いなあ??」

 「 そこに居るのは誰じゃ??」

 

狸木に登る (3)


 「 うんにゃあ!!!!」

 「 儂ではないか!! 和尚の儂ではないか??」

 

 「 儂しゃ?? まだ寝とるのかや??」

 「 木の上に儂が居る?? 

それでは、それを見ておる儂は誰じゃ??」


狸木に登る (8)

 

 和尚、お早うさん!!

 ほれ儂じゃ、ほれ儂じゃ!!

 

 「 その声は、狸殿ではないか??」

 「 何で和尚の儂になって、

檜の木に登って枝を切っておる??」

 

 この前に、和尚が檜の枝を切らないかんと言っておった。

 それをふと思い出して、

仕事を手伝おうと思ったのじゃ!!

 

 それで、今日は良い天気じゃて、

    椿の葉っぱを五枚使って人間にばけたのじゃ!!

 

 それも普通の人間じゃと、

木の登るのは無理じゃと思い、

木登り名人の和尚に化けたのじゃ!!

 

 「 それで、和尚の儂が2人も居るのか!!」

 「 住職が2人の儂を見たら、発狂するぞよ!!」

 

 「 狸殿落ちたらいかんから、早よ降りといで・・」

 「 後は本職の和尚に任しとき・・・・」

 

 ヘイヘイ!!

 ぼちぼち、化けの皮が剥げて狸に戻ると、

木から落ちるからのう!!

 

 猿も木から落ちるが、狸は必ず落ちるのう!!

  後は、和尚に任すわ!!

 

 「 狸殿、ご苦労さん。」


 

 鉢で育てている弦が伸びとる。

 春じゃのう!!

 

テッセン(クレマチス)



 鉢から、数本の弦が、上へ上へと背伸びをしとる!!

 

 競い合うように天を目指しておる。

 途中までは、

鉢に建ててある棒に巻き付いておるが!!

 

 もう直ぐそれを超えるなあと思っていると、

周りの木に向かって弦を伸ばしておる!!

 

 蜜柑の木・金木犀の木・

正月のお飾りに使う木の杠(ゆずりは)。

 自分より背の高いものに巻き付こうとしておる。

 

 生きるために、お日さんを目指して、

  一生懸命花を付かせるため背を伸ばしておる!!

 何処まで伸びるか見ていてやろう!!!

 


 

 オヤ??

 前に教えてもらった木に赤い色が付いておる??

 

石斛(せっこく)長生欄 (1)



 確か、白い花が冬に咲く花じゃが??

 確か、“ 山茶花 “と言っておったはずじゃが??

 

 椿の小さい花のバージョンじゃ。

 しかし、椿と違い花弁がちょこちょこ落ちよる。

 

石斛(せっこく)長生欄 (2)



 じゃが、その木に赤い花が付いとる。

 それも、真ん中に赤い丸が有り、白い輪っかもある!!

石斛 長生欄(4) (1)
 


 和尚、何で別の花が咲いてるのじゃ??

 

 「 おう、狸殿」

 「 よう気が付いたな・・」

 

 「 確かに山茶花の木じゃが・・」

 「 居候をしておるのじゃ・・」

 

 その花は、歩いて来たのかや??

 それとも飛んで来たのかや??

 

 「 いやいや、斡旋するものが居って・・」

 「 山茶花に断りをして、

幹と枝の間をお借りしたのじゃ・・」

 

 どう言うこっちゃ??

 

 「 いやいや、和尚の儂が赤い花を移したのじゃ・・」

 「 あるお人から頂戴した鉢が増えて、

        木に居候さしても息づくと思てな・・」

 

 そやろなあ!!

 花が勝手に移転せえへんもんな!!

 で、何ちゅう花や??

 

 「 石斛(せっこく)、又は、生長欄と言う花じゃ・・」

 

 中々、乙なもんじゃなあ!!!

 

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