裏庭に、上品な白い花が御座る。

 一輪の小さな花が、そこここに!!

 

白山吹 (2)



 葉っぱも結構、上品じゃ。

 何で、こんな裏庭に有るのじゃ??

 

 上品じゃて、お客様に見せたらよいのに??

 人が来ない、裏庭の柿の木の下で、

また、漆小屋の横に植えてあるのじゃ??


白山吹 (1)

 

 「 それはなあ、前の和尚が好きでなあ・・」

 「 裏手では有るが、

ひっそりと咲いているのが好きだったのじゃ・・」

 

 「 何でもそうじゃが、

隠れて咲くことで光ることもある・・」

 「 人の社会でも、人の目に付かないところで、

     黙々と仕事に精を出して御座る方が居る・・」

 

 「 何の能力もないのに、

人前に出るのが好きな輩も多い・・」

 

「 単に居るだけなのに、

人に認めてもらっていると、満足感を充足する輩も・・」

 

 「 本来は認めてもらうと言うことは、

  黙ってすることはすることじゃが、勘違いする・・」

 

 和尚、もしかして狸の儂の事を言っとるのか??

     狸の儂は、人間社会によく出とるからか??

 

 「 いやいや、狸殿は、

儂をいつも助けてくれておるから、感謝!感謝!・・」

 

 うむ、それならば納得じゃ!!!