和尚が造っておる裏の花道に白い花が咲いておる。

 この前は、沈丁花の三姉妹が白い花を付けていたが、

        もう、花は散って枝を伸ばし始めた

 

 その横に、何や、小さい花の塊が、

毬の半分の大きさでかたまっておる。

 

小手毬 (1)


    

 和尚、この半球の花は何じゃ??

 

 「 これはなあ、小手毬と言う花じゃ・・

 「 これに対し、大手毬と言うのも有る・・」

 

 手毬やと、蹴ってもええんかいなあ??

 

小手毬 (2)



 「 阿保か、蹴ったら枯れるがなあ・・」

 「 球体の様に丸いので、

手毬と名付けられてるのじゃ・・」

 

「 名付けるのは、同一の形をしてなくても、

   よく似ていればその名前を借りるのじゃ・・」

 

「 狸のお主も、人間の様じゃて、

          “ お人狸 “と名付けようか・・」

 

いやいや、“ 狸殿 ”で結構。

『 殿 』が付いとるからのう!!!