2022年02月

 

 おや、白万両の実が一杯残っておる??

 他の赤万両は、大部分が丸坊主なのに??

 

白万両 (2)



 何でじゃ??

 白万両も中々乙なもんじゃが!!

 

 和尚、何で白万両は、丸坊主にならんのじゃ??

 

 「 おう、狸殿、目の付け所が違うのう・・」

 「 仰る通り、白万両の実は残っておるなあ・・」

 

 そう、この様に実がまん丸になり、

はち切れんばかりじゃが!!

 白南天も、実が残っておったなあ!!!!


白南天 (2)


 

 和尚何で、鳥たちは白万両や白南天は食わんのじゃ??

 

 「 狸殿、お聞きするが、

黄色いバナナと胡瓜ではどちらを先に食べるかやえ??」

 

 そりゃ、黄色いバナナに決まっておる!!

 

 「 狸殿、お聞きするが、

 赤いリンゴと青いリンゴとではどちらを先に食べるかかえ??」

 

 そりゃ、赤いリンゴに決まっておる!!


紅万両 実無し雪帽子 (2)




 

 「 そう、鳥たちも狸殿と同じじゃ・・」

 「 赤い実の方が美味そうにみえるのじゃ・・」

 

 「 千両でも、赤い千両の実が先に無くなり。

        黄色い千両の実が最後に無くなるのじゃ・・」

 

 「 熟して赤くなるのは、鳥たちに食べてもらって、

  実の中の種を遠くに糞として落としてもらうためじゃ・・」

白万両 雪帽子 (1)
 

 「 木も生き残るために、色々と工夫をしとるのじゃ・・」

 「 白万両も、白南天も、

鳥たちの食べ物が無くなる春先には食べられ、

丸坊主になるぞよ・・」

 

で、和尚、赤万両や赤千両は実が赤いと甘いのか???

 

「 うにゃ、儂も味見したが甘くはないのう・・」

「 狸殿も、食べん方がいいぞ・・」

 

さよか、儂は動物性たんぱく質の方が好みじゃて!!

甘くなければ、遠慮するわ!!!!!

 


 

 おう、和尚!!

 霜や雪が多いが春じゃのう!!

 

 「 そうじゃ、春じゃ・・」

 「 寒い寒いと言っておるが、春が指先まで来とる・・」

 

 そうじゃ、狸の指先は、手が短いのでもう少し先じゃが!!

 目には見えておる!!

 

 紅梅が蕾から花が咲いたわ!!

 ええもんじゃな!!!!!

 

紅梅 花ちらちら蕾



 梅を見ながら一杯!!

 和尚、如何じゃ!!!!!

 

 「 狸殿、和尚の儂は、昼から飲まんのじゃ・・」

 「 呑むのは、夜の晩酌だけじゃ・・・・・」

 

 「 昼に呑むのは、

会合の後のお酒が付いている会食だけじゃ・・」

 「じゃて、お寺で昼に呑むことは滅多に無い・・」

 

 そりゃ、残念じゃ!!

 和尚が呑まんでも、儂にお酒をくれたら、

  儂だけが昼から、紅梅を愛でながら飲んでやるぞ~~!!

 

 「 いやいや、まだ咲いていない梅が有る・・」

 「 白梅じゃ・・・・・」


白梅 蕾

 

 「 白梅は、紅梅より花が咲くのが少し遅い・・」

 「 淡い紅梅、ピンクの梅も紅梅より少し遅い・・」

 

桃梅 蕾


 「 じゃて、狸殿も呑むのは今しばらく我慢せい・・」

 「 紅梅・白梅・桃色梅が全て咲いたら、

御酒を少し狸殿に差し上げよう・・」

 

和尚、ほんまかやえ??

 和尚、忘れんといてや!!!!


 

 いやあ!!

 静かになったわい!!

 

 朝から夕方まで、所謂、チェーンソー・クレーンの音

            昼寝の子守歌にはならなんだ!!

 

 丸坊主、と言っても、切ってしまうと、

          何処を切ったか分からんなあ~~??
ビフォー


山門東南杉伐採2002 (1)ビフォー




 伐採する前の杉の木を見てないと分からんなあ??

 何時もは、道や自分の目の届くとこしか見ていない。

 

 ましてや、頭の上30mは見上げることは無いわなあ!!

 日当たりが良くなったと、見上げて初めて、

            杉の頭が無いことに気が付く!!

アフター 

山門南東杉伐採工事 (68)あふたー
山門杉伐採アファター (6)母屋2階から



 又、初めてお寺に来られた方は、

  伐採した後が普通と思うので、当然変化は分からん!!

 

 “ 気付き ”を常に意識するか否か??

 狸の儂でも、哲学的に考える時がある!!

 

 じゃが、人間は目先・今しか意識をせん!!

 目で見るだけでなく、目で見たものから、

過去と未来を推測・予想する力を持たないかん!!

 

 しかし、和尚もよう働いたなあ!!

 伐採した杉の頭。落とした幹から枝を払い、

    重たそうな杉の葉っぱと枝と幹を運んでおった!!

 

 何十回も背中に担ぎ、

“ よいこらしょう ”と言いながら頑張っておった!!

 

 その後も、熊手と箒で残りの枯れた枝を掃き、

 仕上げに、ブロアーで細かいゴミを飛ばしておった!!

 

 和尚は、晩酌を楽しむため、しんどい仕事に自分を追い込み、

晩酌の一杯目に幸せを感じておる!! 

ようけの量も飲めないのに、一杯目が美味いそうじゃ!!

 

 和尚がよく言いよる、“ 地獄の後は、必ず天国じゃ ”と。

 “ 楽ばかりしてると、常に地獄じゃ と。

 

 狸の儂には、よう分からんが??

 狸の儂には、“ 天国 ”だけでよか!!!

 


 

 少し、静かになったのう!!

 おう!!杉の頭が大分丸坊主になったわい!!

 

 じゃが面白いのう??

 杉の太い幹が地面から伸びておるが、

 途中で瘤の様になって、そこから何本も幹が分かれておる??

 

山門南東杉伐採工事 (54)あふたー





 和尚、杉の木は途中に瘤が出来、幹が分かれるのかやえ??

 

 「 おう狸殿、瘤がよう見えたなあ・・」

 「 杉じゃから瘤が有るのではない・・」

 

 「杉や檜は、本来幹が地面から一本伸びて

枝が横に互い違いに出てきて円錐形の様な樹形になる・・」

 

「 儂の寺の杉は、特に山門の近くの杉は、

今から40年程前に、その頃の植木屋さんと、

若かりし儂が二人で杉の頭を切ったのじゃ・・」

 

 「 その切り口が、途中の瘤じゃ・・」

 「 30年前に切った杉が、枯れずに残り、

 切り口から枝が伸び、更に上に伸び幹になったのじゃ・・」

 

 「 その頃は、儂も若かったので、梯子で木に登り、

    枝に足を掛けて更に上に登って伐採したのじゃ・・」

 

 その頃は狸の儂もまだ生まれてなんだので、

木を切ったことは知らなんだ!!

 

 木とは、強いもんじゃなあ??

 切られても、切られても枝を残し生き残るのじゃなあ??

 

 「 狸殿そうでも無いぞ・・」

 「 木を切る時期が大切じゃ・・

 又、幹のどこできるかが非常に難しいのじゃ・・・」

 

 へえ?? 何時・何処で切っても同じじゃないのか??

 

 「 いやいや、針葉樹は、

冬に切らねばそれ以外の時期は枯れる時がある・・」

 「 落葉樹は、葉っぱの落ちた冬に同じように切る・・」

 

 「 木が、水を地面から吸って、

枝にあげる時に切ると枯れやすい・・」

 

 へえ、難しいのう!!

 それで、和尚が寒い冬に、紅葉の枝を剪定していたのか??

 

 「 そうじゃ・・ 

枝ぶりを考え、夏の大きさを予想し冬に切るのじゃ・・」

 

 「 又、幹や枝を切る際は、

切り残す枝を考え、切り残す枝の少し上で切らないと、

切った処から枯れる時がある・・」

 

 和尚が気の向くままに切っとる思っておったが、

               案外頭が要るのじゃなあ!! 

 

 「 そうじゃ、こういう諺がある・・

 『桜を切る馬鹿!!梅を切らぬ馬鹿!!』・・」

 

 なんじゃそれは??

 馬鹿は分かるが!!

 

 「 桜は枝を切ると枯れるのじゃ・・」

「 梅は枝を切ると枯れるのではなく、花を付ける・・」

 

さよか、儂は、梅におしっこをかけたわな!!

 馬鹿の一人かな?????

 

 


 

 ウッヒョウ~!!

 トラックの棒が伸びて木の上の横に据え付けておる!!

 

 あれで何メートルあるんじゃ??

 和尚が、杉の木の高さは30m以上と言っておったが!!

 

 高いクレーンじゃのう!!

 20m以上あるんかのう??

 

 ウンニャア~~??

 クレーンに人が乗っとる??

 

 ウニャア~~!!

 一番上で木に乗り移っておる!!

 おお怖わ!!

 

 和尚では無いが、

儂も木には登れんのじゃて、高所恐怖症じゃ!!

 

山門南東杉伐採工事 (38)あふたー風間
 

 植木屋さんの高所作業の職人じゃそうじゃ!!

 何と猿の様じゃ!!

 

 猿の割には、腰に何やかや道具をぶら下げておるが??


山門南東杉伐採工事 (44)あふたー風間


 

 ガアー――  ガアー―――

 バリ・バリ ガサ・ガサ  ドスン!!!!

 

 ひゃあ~~恐ろしや!!

 頭の上からごつい枝が落ちてくる!!

 

 和尚、危ないで~~!!

 

 「 おう、狸殿煩くて申し訳ない・・」

 「 木の伐採が始まったでなあ・・」

 

 和尚、あの木の上の猿の様な人は何じゃ・・

 

 「 彼は、特殊技能を有する職人じゃ・・」

 「 高い樹木の伐採や剪定を仕事としておる。」

 「 一種の木登りの達人じゃ・・・・」

 

山門南東杉伐採工事 (51)あふたー風間



 「 腰には道具一式をぶら下げておる。」

 「 一度樹上に登ると、

道具を取りに下りたり登ったり出来んから、

全てを腰にぶら下げ、用意しておる・・」

 「 大きいのではチェーンソー

鋸・木鋏・ロープ・ホック・・・・」

 

 「 全部で20kg位の重さじゃ・・」

 

ひえ~~!!

 体重が20kgも増えたら歩けんのう!!

 

 スキーヤーで三浦雄一郎が足腰を鍛えるのに、

 足に数キロの重しを付けておったが、

それ以上じゃのう!!!!

 

 いやあ~~ 驚き!桃の木!山椒の木!!!

 落ちなやあ~~~

 

 

 

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