少し、静かになったのう!!
おう!!杉の頭が大分丸坊主になったわい!!
じゃが面白いのう??
杉の太い幹が地面から伸びておるが、
途中で瘤の様になって、そこから何本も幹が分かれておる??
和尚、杉の木は途中に瘤が出来、幹が分かれるのかやえ??
「 おう狸殿、瘤がよう見えたなあ・・」
「 杉じゃから瘤が有るのではない・・」
「杉や檜は、本来幹が地面から一本伸びて
枝が横に互い違いに出てきて円錐形の様な樹形になる・・」
「
儂の寺の杉は、特に山門の近くの杉は、
今から40年程前に、その頃の植木屋さんと、
若かりし儂が二人で杉の頭を切ったのじゃ・・」
「 その切り口が、途中の瘤じゃ・・」
「 30年前に切った杉が、枯れずに残り、
切り口から枝が伸び、更に上に伸び幹になったのじゃ・・」
「 その頃は、儂も若かったので、梯子で木に登り、
枝に足を掛けて更に上に登って伐採したのじゃ・・」
その頃は狸の儂もまだ生まれてなんだので、
木を切ったことは知らなんだ!!
木とは、強いもんじゃなあ??
切られても、切られても枝を残し生き残るのじゃなあ??
「 狸殿そうでも無いぞ・・」
「 木を切る時期が大切じゃ・・
又、幹のどこできるかが非常に難しいのじゃ・・・」
へえ?? 何時・何処で切っても同じじゃないのか??
「 いやいや、針葉樹は、
冬に切らねばそれ以外の時期は枯れる時がある・・」
「 落葉樹は、葉っぱの落ちた冬に同じように切る・・」
「 木が、水を地面から吸って、
枝にあげる春時に切ると枯れやすい・・」
へえ、難しいのう!!
それで、和尚が寒い冬に、紅葉の枝を剪定していたのか??
「 そうじゃ・・
枝ぶりを考え、夏の大きさを予想し冬に切るのじゃ・・」
「 又、幹や枝を切る際は、
切り残す枝を考え、切り残す枝の少し上で切らないと、
切った処から枯れる時がある・・」
和尚が気の向くままに切っとる思っておったが、
案外頭が要るのじゃなあ!!
「 そうじゃ、こういう諺がある・・
『桜を切る馬鹿!!梅を切らぬ馬鹿!!』・・」
なんじゃそれは??
馬鹿は分かるが!!
「 桜は枝を切ると枯れるのじゃ・・」
「
梅は枝を切ると枯れるのではなく、花を付ける・・」
さよか、儂は、梅におしっこをかけたわな!!
馬鹿の一人かな?????