2022年01月

 

 和尚!!久し振りじゃ!!

 この前は、声を掛けなんだが、着物で出かけたのう!!

 

 最近では、珍しいのう!!

 今までは、お茶会やと言うて着物で出かけていたが!!

 

 「 おう狸殿・・

 着物で出かける時はいつも声を掛けてくれるので、

この前は、まだ寝ているのかと思っておった・・」

 

 着物姿を見ておったが、

少し遠かったので声を掛けなんだ!!

 で,お茶会やったのかあ??

 

 「 いやいや、演奏会が有ってのう・・」

 

 何??演奏会で着物とは珍しいのう!!

      演奏会は、いつもは洋服で行くじゃろう!!

 

 「 そうじゃ、今回の演奏会は、

 聴くだけでなく、挨拶をしてくれとの依頼じゃった・・」

 

 着物じゃとえらい目立ったじゃろう!!

 

 「 今回は着物の方が多いと思い、着物にしたのじゃ・・」

 「 じゃが、案外着物の方が少なく、

特に男性では儂だけじゃった・・」

 

 「 じゃが、素敵な着こなしの女性が居られた・・」

 「 最近の京都の旅行者の若い方の着物とは違い、

    着物、帯、帯留め、草履まで気配りされていた・・」

 

 「 更に、姿全体に品が有り、行き届いている所作の良さ・・」

 「 これぞ『着物を着こなす!!』と言える、素敵さ!」

 

 「 久しぶりに、感歎したわな!!」

 「 その中で、帯に猫ちゃんが居るのじゃ!!」

 

ヒエィ~~!!  帯に猫を使っとるのか??

 

 「 ちゃうちゃう・・

 今回の演奏会は、猫が主役なのじゃ・・」

 

 「それで、来られた方も、

    猫ちゃんが遊んどる帯の柄を選ばれたのじゃ・・」

 「 それも派手な猫でなく、

     よく見ると、地味な猫が遊んでおるのじゃ・・」

 

 「 その遊び心の現し方が素敵なのじゃ・・」

  「 『大人の遊び心!!』 『乙な美の現し方!!』・・」

 

 「 久しぶりに目の保養をさせてもらったわ・・」

 

 そりゃよかったのう!!

       和尚も久しぶりの外出で堪能してきたか!!

 

 

 


 

 「 大雪じゃ・・」

 「 何と、10cm以上積もったわい・・」

 

 「 写真でも撮るか・・」

 「 長靴を履いて・・写真機をもって・・」

大雪庭 (16)
 


 「 いやあ・・まだ降っておる・・」

 「 いやあ・・銀世界じゃ・・」

大雪庭 (19)
 


 和尚~~!!

 

 「 おや‥狸殿の声が聞こえる・・」

 「 何処におるのじゃ??この雪の中で??」

 

 「 こう言う時は巣に籠っておるはずじゃのに・・」

 「 何処じゃ??狸殿~~・・」

大雪 樹木葬 (3)
 


 おう和尚!!

 何しとる。写真機を持って??

 

 「 久しぶりの大雪じゃて、雪の庭を撮ろうと思ってな・・」

 「 狸殿もこの大雪に何で外出しとる??」

 

 「 毛皮を着とっても寒いじゃろう??」

 「 寒い日はいつも籠っておろうが??」

 

 そうじゃ、儂も籠ろうと思ったが、

前の日から寒かって籠っていたら、腹が減って腹が減って!!

 

それで、雪が降っておるが出て来たとこじゃ!!

所が雪で足が冷たいよって、

雪の積もてない壁の縁や木の下を歩いておったのじゃ!!

211231雪景色庭 (33)


 

「 成程・・で、腹はこなせたかや・・」

 

いや、虫も地中の奥までに逃げこんだによって、

雪だけ舐めておるわな!!

儂も凍え死ぬのは嫌なので、かえって寝るわ!!!

温かい雑炊でも食べてる夢を見ることにしよう!!

 

ほんなら、和尚も雪に足を取られ、転ばんようにな!!

 

 

 

 おんにゃ??

 梯子が置きっぱなしじゃ??

 

 葉っぱの無い紅葉の木に??

 和尚かな??

 

 おしょう~~!!

 居るかあ~~??  何しとる~~??

 

 おんにゃ!!

 上から和尚が答えておる!!

 

 「 狸殿、何か用か・・」

 「 下で、梯子の周りをくるくると、何しとる・・」

 

 和尚が居るのか探していた!!

 梯子の上に居たんかいなあ!!

 

 狸の儂らは上を見る様には身体が出来ていないので、

          和尚が上に居ると見えんのじゃ!!

 

 「 そうじゃなあ、四つ足じゃと首が痛いわな・・」

 「 儂ら人間でも、上ばかり見とると首が痛くなる・・」

 

 和尚上で何しとる??

 

 「 落葉樹の紅葉は、水を上げない今時が剪定の時じゃ・・」

 「 水を上げる時期に切ると枝が大きく枯れよる・・」

 

 「 今枝を切って、枝ぶりを整え、樹形を整えるのじゃ・・」

 「 そうすると、

葉っぱの新芽が出た時に、綺麗な枝ぶりになる・・」

 

 「 又、上の枝を切ると下の枝により大きい葉っぱが出来る・・」

 「 上の木を切らないと下の枝が枯れてくる・・」

 

 へえ~、この剪定が無ければ秋の綺麗な紅葉も見れん訳じゃ!!

 和尚、大変じゃのう!!

 人が見てへんとこで頑張っていないかんのじゃなあ!!

 御苦労さん!!

 

 病み上がりじゃて落ちんようになあ!!

 

狸の儂らは適当に、その時だけ動くだけじゃ!!

 まあ、それでも儂らは生きていける!!

 

 人間は大変じゃ!!!

 


 

 演奏会で、それもシャンソンの演奏会は分かったが!!

 何でそんなもんに携わっておるんじゃ??

 

 「 簡単な話じゃ、

まずシャンソンが好きであるからじゃ・・」

 「 さらに、

シャンソンを唄とてはる方に惚れ込んだからじゃ・・」

 

 和尚!!恋をしたんかいなあ!!

 シャンソンを唄とてはる方を好きになったんかいなあ!!

 

 「 違う・・ 好きや嫌いでなく、

シャンソンンに向き合う姿勢と気持ち、

その歌・訳詞された作品に惚れたのじゃ・・」

 

 「 シャンソンには、恋・失恋・別れ・想い・追憶・・

色々な歌が有る・・」

「 その歌に込められた情感が大切なのじゃ・・」

 


「 その想い・心の情感を

歌に込めて相手に伝わるように唄わないかん・・」

 「 それがシャンソンじゃ・・」

 


 「 言い換えると、シャンソンは語り掛けるように・・

 相手の心に届くように切々と唄わないかん・・」

「 所が、そのシャンソンを朗々と、

又、オペラの様に歌う歌手が多い・・」

 


 「 またフランス語のシャンソンを日本語に訳詞する時は、

   日本語の微妙なニュアンスを考え、踏まえないかん・・」

 「 しかし、今までのシャンソンは直訳的な訳詞であり、

       脈絡のない単語の羅列的なものが多かった・・」

 

和尚、えらい蘊蓄をかたむけるなあ!!

 

「 その中に詩的要素も含ませないかん・・」

「 文章にしても詩のように世界が広がる・・」

 

 

 「 これは我々が、

日頃話をするときに意識をせないかんことじゃ・・」

 「 自分の発した言葉が相手の心に届いているか・・」

 


 「 自分の発した言葉の言霊が相手に届いたかを・・」

 

 和尚、難しいのう!!

 狸の儂に出来るかのう??

 

 和尚から聞いたシャンソンの事は寝ながら考えてみるわ!!

 

 

 

 

 和尚、この前の “ ぶつぶつ ”はどうなった??

 

 「 おう狸殿、この前の “ ぶつぶつ ” を覚えとったか・・」

 「 そうじゃなあ・・あれから3日経ったなあ・・」

 

 で?

 “ ぶつぶつ ”は、ちゃんと言葉になったかやえ??

 

 「 勿論じゃ・・」

 「 美声とは言えんが、声は一応出たわいなあ・・」

 

 和尚はどこで何をしとったのじゃ??」

 

 「 実は、シャンソンの演奏会が有ってなあ~・・」

 「 その司会と裏方を頼まれたのじゃ・・」

 

 ひえ~~  和尚は色々なことを頼まれるのじゃなあ!!

 そんな晴れがましい所で司会をするんかいなあ!!

 

 また、シャンソンかいなあ~~??

 和尚がシャンソン??

 

 「 狸殿、和尚を馬鹿にしな・・」

 「 和尚でも人間じゃ・・」

 

 「 素敵な歌は好きになるぞよ・・」

  「 それに学生の時に

フランスへ旅行したことがあってなあ・・」

 

 「 その時にシャンソンを聞いて、好きになったのじゃ・・」

 

 和尚も中々ハイカラじゃのう!!

裏方なら狸の儂でも出来るが、受付や舞台準備じゃろう??

 昔、儂の彼女の舞台を応援したことが有るぞ~!!

 

 「 ほう狸の社会でも舞台が有るのか?」

 

 馬鹿にせんといて!!

狸の社会でも演奏会も、舞台も御座る!!

 

月が出たら “ 山で演奏会 ” をせないかん!!

酒を飲む舞台も御座る!!

 

「 それはそれは狸の社会も中々のもんじゃ・・」

「 今度、儂を招待してくれんかやい・・」

 

酒を差し入れてくれるなら、呼ばんこともない!!

又、声を掛けるからよろしく!!

勿論、お酒は何本もなあ!!!!

 

 

 

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