ガリガリ!!
ボリボリ!!
「 おや? 何か音がしている?」
「 何の音じゃのう??」
「 そう言えば、昔聞いたことが有るのう!!」
「 何時じゃったかのう??」
「 思い出した・・ 儂が飼っていた、ワン公・・」
「 “ 忠吉 ”じゃ・・
今では老衰で死んでしまったが・・」
「 可愛い犬じゃった・・」
「 思いだした・・
忠吉の散歩の折、忠吉が食べていた音じゃ・・」
「 道に落ちていたものを、
何でワン公がたべるのじゃ?と不思議に思った・・」
「 おう、狸殿ではないか・・」
和尚!! 食事中じゃ!!
邪魔せんでくれるかのう!!
「 邪魔はせんが、狸殿もそれを食べるのかや??」
そうじゃ、これは今が熟して一番うまいのじゃ!!
この椎の実は、木の上で熟して、今落ちてくる!!
和尚が、市電の敷石で造った道に落ちてくる。
この敷石の上に落ちた椎の実が一番食べ易い!!
「 ドングリも一杯落ちているではないか??」
いやいやドングリは少し灰汁が有るのじゃ!!
椎の実は、嚙んでいると甘くなって美味いのじゃ!!
「 左様か・・
お食事の邪魔をしては悪いので行きまっさ・・」
「 ごゆるりと・・」
へえ!! おおきに!!