「 狸殿、この前はご苦労さんじゃった・・」
「 高木に登って、よう枝が切れたのう・・」
「 人間の儂でも、登るのに“よいしょ”じゃが・・」
「 和尚の儂に化けたと言っても、
よう登れたのう・・」
そうじゃろう、大したものじゃろう!!
何時もの化け方は、椿の葉っぱ3枚じゃ!!
これじゃと、特に何も考えんでもいいのじゃが。
じゃが今回は、高い木に登らないかんので、
大いに考えたわな!!
「
そうじゃろうなあ・・」
「
儂でも、高い木に登る時は、
緊張して気合を入れるわなあ・・」
そこで狸の儂が木に登るので、
途中で狸に戻ると命に係わる!!
一番の問題は、足と手の指の問題じゃ!!
そこで椿の代わりに “ 八つ手 ”を使ったのじゃ!!
八つ手じゃと、手足の指が5本と言わず多いので、
枝を握るのにもってこいじゃと、八つ手にした!!
「 さよか、それで器用に登ったのじゃなあ・・」
「 “豚でも煽てりゃ木に登る”と言うが、
狸殿は、頭を使って木に登ったのじゃなあ・・」
和尚、豚より格上げになったか!!
「 いやいや、元々狸殿の格は極上じゃ・・」
「 和尚の儂と変わらんぞ・・」
「 大したものじゃ・・」
「 八つ手を使うことを考え出すことが、
大したものじゃ・・」
それでなあ、和尚に化けて思ったが、
人間として、手と足が有れば最高じゃ!!
最近の人間は文句が多い、
五体満足であれば、最高じゃと思うのじゃが!!
「 そうじゃ、大学や会社や、お金や地位や、
色々なものを欲しがる・・」
「 健康であれば、満足すればよいはすじゃ・・」
「 言葉に“知足”と言うのが有る・・」
「 “ 足(た)るを知る ” と言うが、
「
自分が少しの事で満ち足りておると感じると,
不満は解消する・・」
「 狸殿は、和尚の儂に化けることで、
五体満足を理解したのじゃなあ・・」
「 “ 知足 ” を知ったことは、
『悟った』と一緒じゃ・・」
ほう!! ありがとさん!!
又、木に登ろうかのう!!
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