和尚!!

 どこじゃ??

 

 和尚!!

 どこじゃ??

 

 「 煩いなあ・・」

 「 狸殿、いったいどうした・・」

 

 いやいや、和尚!!

 上の方に達磨さんが御座る!!

 

 「 達磨さん・・」

 「 それも上の方に??」

 

 「 そりゃ、達磨さんも昔の方じゃて、

 お亡くなりになっておるさかい、上に居られるわな・・」

 

 そうでは無く、天国! 浄土! では無く!!

 木の上じゃ!!!!!

 

 「 木の上に達磨さんが御座るとな??」

          「 そりゃ狸殿、そりゃ無いわな・・」

 

 「 木の上に達磨さんが居られるわけが無いわな・・」

            「 石の上には居られてもな・・」

 

 うにゃ!! 木の上じゃ!!

 

 「 どの木の上じゃ??」

 お墓に行く道の、牛さんのおじゃる所じゃ!!

 

 「 ああこの木か・・」

 そうじゃ、この木に、そりゃあれに達磨さんが??」


タイサンボク 実1

 

 「 成程、狸殿が勘違いするのも分かるのう・・」

 「 達磨さんの様に見えるわなあ~~・・」

 

 そうじゃろ、少し白いが達磨さんじゃろ!!

 お釈迦様の様に、葉っぱの真ん中に御座る!!

 

 「 いやいや、狸殿・・」

 「 あれわな、ダルさんでは無いのじゃ・・」

 

 それじゃあ何じゃ?????

 「 あれわな、タイサンボクという木の “ 実 ”じゃ・・」

 

 何じゃ、花の木の実かいなあ!!

 食えるんか?????

 

 「 儂も未だ食したことは無いわ・・」

 「 じゃが狸殿言うように、

見ようによっては達磨さんじゃなあ・・」

 

 「 この2~3年、タイサンボクの木が大きくなり過ぎ、

     上の方を切り詰めたので、花が下に咲いた・・」

 

 「 それで、木の実が目に入ったのじゃ・・」

 「 これからは、タイサンボクで無く、

          “ 達磨の木 ” と呼び名を変えるか・・」

 

 儂ゃ、どっちでもよいわ!!

            食い物として美味いかじゃ!!

 

 それに上の方じゃて、獲れんからのう!!!

              ほな失礼します!!!!!


タイサンボク 実2