赤トンボ 休憩
 

 

和尚、何をしとる??

 

そんなとこに座って??

          又、左の腕を前に突き出して??

 

そこは、庭への出入り口ではないか??

         人が入ってきたら邪魔じゃろう!!

 

何でそんなとこに??

    何でまた、じっとそんなに長く座っておる??

 

それも左腕を突き出して??

 

「 おう狸殿・・」

「 よう見てみ・・」

 

よう見ても、儂には和尚の突き出した腕しか見えんがなあ??

 

「 左腕の真ん中辺りを見てみ・・」

 

うんにゃ? 

何か赤いもんが居るのう??

 

うんにゃあ!!

赤トンボではないか!!

 

「 そうじゃ、赤トンボじゃ・・」

 

 たしかに赤とんぼ居るが、

  和尚はじっとして動かんのじゃ??

 

 「 出入口じゃが、少し針金を使う仕事をしておった・・」

 「 そこで、少し腕を伸ばしたら、赤トンボが止まった・・」


 「 “ こりゃ、そこを退け と言ったが、

何と、赤トンボが “ 少し休ましてくれ ” と言いおった・・」

 

 「 “ 儂ゃ忙しい ” と言うたが、

  赤トンボも “ 儂も飛び続けてしんどい ” 言いおった・・」

 

 「 しゃあないので、休憩所として、

              左腕を貸しておる所じゃ・・」

 和尚、暇やのう!!

 

 「 儂も忙しいが、赤トンボと一緒に休むのもよかろう・・」

 

 まあ、和尚も忙しからのう!!

 ご自由に!!!