「でくの坊」

 

 おんにゃあ??

 

 あんなとこに木が生えとったかなあ??

 

 それも、枝も無い幹だけが??

 

 よう見に行こう!!

 

 トコトコ・・

 

 
 おんにゃあ??

 

 木では無く、柱の様でもある??

 

 じゃが、一番上に笠が御座る??

 

 トコトコ・・

 

 
 何じゃ??

 

 和尚が麦わら帽子を被り、

突っ立て、独り言を言いよる??

 

 「 このままにすべきか??

     木を切って植え替えるべきか??」

 

 「 赤のままがよいか??

          赤と白にすべきか??」

 

 「 ああ悩ましい??

    切るべきか?植え替えるべきか??」

 

 和尚!!

 

 さっきから棒の様に立ったまま、

 山椿を見ながら、

何をぶつぶつ言うとる??

 

 「 おう狸殿 」

 

 「 いやいや、

 数年ぶりに山椿の枝払いをしたのじゃ・・」

 

 「 つつじの奥に、

 六本の山椿があって、花が赤ばかりじゃて、
どうしようかと悩んでおる・・」

 

 何を悩んでおる??

 

 「 赤の中に、

白の椿の花が咲いているのもいいかのう・・と思うて・・」

 

 成程!!   赤白の垂れ幕の様にか??

 

 それじゃと、

何か祝いの催しものが有ると思うぞ!!

 

 狸の儂からすると、

 “今日は祝い事で、馳走が有る ”

              と思うぞ!!

 

 「 そうか、椿が咲くと、

 狸のお主が “おねだり ”に来るか・・」

 

 「 ちと煩いのう・・」

 

 「 分かった、そのまま赤一色にしよう・・」

 

 「 お主が居ると悩みが直ぐに解決じゃ・・」

 

 どういたしまして!!

 

 “でくの坊 ”が居ると思えど、

          悩む住職じゃった!!  

 

 和尚の悩みには、狸が救いの神じゃ!!!


 

 和尚、この数日間、

草取りばかりではないか!!

 

 梅雨が終ってから、

      毎日草取り、大変じゃのう!!

 

 「 そうじゃ、今年の梅雨は、

 最近の梅雨と違うて、 毎日雨が続いた・・」

 

 「 過去の梅雨は、

 雨が降ったら、2~3日天気じゃった・・」

 

 「 その雨も、結構降りは強いが、

           直ぐに止んだ・・」

 

 「 今年の雨は、

 結構長い時間降って、

      且つ、雨脚もつよかった・・」

 

 「 その分、

雨の合間に草取りが出来ず、

      草が、大きくなりよった 」

 

 そうじゃなあ、

        草虫が結構居ったなあ!!

 

 その分、儂の腹の中は、

   動物性たんぱく質が豊富であった!!

 

 しかし、梅雨が空けた途端、

    和尚の仕事は大変じゃったなあ!!

 

 「 まあ、

人間が制御出来ることでも無いし、

人間が文句を言っても、

どうのこうのなる訳でもない・・」

 

 そりゃそうじゃ!!

 

 人間は、自己中心で、

   自分の都合で、言い方を変える!!

 

 総論は、自然を大切にと言うが、

 各論では、

自然を破壊するような行動をとる!!

 

クーラーを掛け過ぎ!!

 

買い物袋のビニールの袋ばかり言うが!!

 

発砲スチロールや、

持ち帰りの石油から出来た、

スーパーの食品の入れ物は言わない!!

 

買い物袋より、量も数も多いのに!!

 

マスコミも、表面的なことは言うが、

本質の突っ込みが足りん!!

 

 人間はええ加減じゃ!!

 

 狸はその点、

直ぐに食べるから、

そんなもんは要らん!!

 

 人間が世界の “頂点 ”と言っておるが、

   もっと頂点の生物が居るわいなあ!!

 

 儂が時たま頂いておる、

 木を喰っておる油虫も、

     何億年と生きておるからのう!!

 

 まあ和尚、草取り、頑張ってなあ!!

 

 

 

 


 

 和尚が、またまた掃除、と言うより、

草取りをしちょる!!

 

 梅雨の雨が止み、

        久しぶりの晴れ空じゃ!!

 

 この前と違うて、一生懸命やっちょる!!

 

 今回は、石ころの多い道の草取りじゃ。

 

 硬そうな土と石ころの詰まったとこじゃて、

           無口になるわな!!

 

 声を掛けようか、声を掛けて、

  「 煩い、忙しい!! 」と叱られるか??

 

 まあいいか!!

 

 和尚!! 頑張っておるなあ!!

 

「 おう、狸殿・・ 久しぶりじゃのう・・」

 

「 梅雨の間、どうしておった?」

 

 「 雨が続き、飯を食べるのも、

大変じゃったろう・・」

 

 確かに!! じゃがよく寝ておったので、

       余り腹は空かなんだわ!!

 

草取りが大変じゃのう!!

 

 「 これも自然の摂理じゃ・・」

 

 “摂理 ”とは何じゃ??

 

 「 梅雨は、雨が多い・・

 梅雨は、雨が降るので草取りが出来ない・・」

 

 「 梅雨は、

雨が多いので、人出が少ない・・」

 

 「 人出が少ないと言うことは、

 芽を出した草を踏む人が少ない・・」

 

「 梅雨は雨が多い、

 草の芽が多く出て、よく成長しよる・・」

 

「 結果的に、草が増え、伸びるのじゃ・・」

 

 成程!! 尤もなことじゃのう!!

 

 「 この自然の摂理を人間は、

 知っていながら、無視をしよる・・」

 

 “草がよう生えていますなあ!! ”と

 

 「 和尚の儂が、怠けておる様に言いよる・・」

 

 「 まあどうでもよいが、

 人は見たことしか分からんようじゃ・・」

 

 「 自然を素敵と思いつつ、

自然を忌避する・・」

 

「 雑草は汚い言い、

 アジサイや半夏生は素敵と言う・・」

 

「 蝶々は綺麗と喜ぶが、

蛾は怖いと言いよる・・」

 

 「共に、

自然であり、我々と同じく地球に

生かされているものでありながら・・」

 

 「 狸殿、お互い共に生きようぞ・・」

 

 へい、和尚、 おおきに!!

  時たま美味しいおやつを下されい!!





 

 

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